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食物アレルギーがあっても手作りごはんはできる?

こんにちは。東京都町田市のトリマー兼手作り犬猫ごはん講師の橋本なみです。今日も暑い一日でした🌞子供の運動会の振り替え休日で、朝一で息子と公園に野球をしに行ったら、暑さで体力消耗し、その後一日疲労感いっぱいでした💦

体力不足を痛感しますね(;^_^A

さて、今日は

「食物アレルギーがあっても手作りごはんはできる?」

というテーマでお話ししたいと思います。

結論から言うと、

食物アレルギーがあっても手作りごはんはできる!

いやむしろ

『食物アレルギーがある子にこそ手作りごはんは向いている』

の方がより適切な表現かと思います。

犬や猫にも人と同じように「食物アレルギー」はあります。そして、人よりもかなり多い割合で食物アレルギーのある子がいます。特に犬は食物アレルギーによって皮膚症状(皮膚の痒みや赤みなどの炎症・湿疹など)や消化器症状(下痢・嘔吐など)が出る子がいますね。

食物アレルギーってどんな状態?

本来食べ物を身体が異物と見なしては生きていくことはできません。しかし、食物アレルギーがある子は特定のアレルギー食材を身体が異物と見なし、免疫が過敏に反応している状態です。

食物アレルギーについて少しお話しすると、食物アレルギーはⅠ型Ⅳ型があります。

Ⅰ型は、アレルギゲンの侵入によってIgE抗体という抗体が産生され、次にアレルギー食材(異物)が身体に入ってくるとIgE抗体と結合し、アレルギー反応が起こるのです。Ⅰ型はアレルゲンが体内に侵入してくると早ければ15~30分でアレルギー反応が出るため、「即時型アレルギー」とも言われます。Ⅰ型は症状が出るまでの時間が短いので原因が分かりやすいアレルギーでもあります。

Ⅳ型は、体内に入った抗原(アレルゲン)を認識した抗体が、Tリンパ球に作用し、二回目以降の侵入に迅速に対応できるよう準備します。Ⅳ型アレルギーは48時間後をピークに炎症が起こるため、「遅延型アレルギー」とも言います。

食物アレルギーは主に食材中のタンパク質に反応します。けしてお肉などだけではなく、お米や小麦にもタンパク質は含まれるので、様々な食材がアレルゲンになり得るんですね。

では、

食物アレルギーの子はどんなごはんを食べるの?

フードの場合は主に二つの選択肢があります。

それまで摂っていたフードの原材料とは違うものが使われているフードを選択する

あらかじめ酸や酵素でタンパク質を小さな分子(アミノ酸やペプチド)にまで分解して、アレルギーの出るタンパク質にも反応しないように加工したフードを使う

という方法です。

ですが、先ほどお話ししたように、食物アレルギーはⅠ型とⅣ型があり、Ⅳ型アレルギーの場合は②のようにいくらタンパク質を小さな分子にまで分解・加工しても、体はアレルゲンとして反応してしまいます

このような場合はアレルゲンのある食材を完全に除去しなくてはいけません。アレルゲンを特定するために「アレルギー検査」というものがありますね。しかし、「アレルギー検査で陽性が出る=アレルギー症状が出る」とは限らないことがよくあります。実際に食べた時の反応が検査結果よりも何よりも大事なことなんです。検査で陽性が出ても実際にその食材を摂って反応しないこともあれば、その逆もあるのです。そしてアレルギー検査は結果が確実ではない上にお値段もします。

愛犬愛猫が何を食べた時に皮膚症状や消化器症状などのアレルギー反応が出て何を食べた時に出ないかは、実際に食べた時の反応を見ることが一番確実なのです。

そして、例えば遅延型アレルギーは、「腸管の粘膜が損傷を受け、その粘膜の隙間から血中に食材が漏れ出てしまう」ことが原因になっている場合があります。簡単に言うと「腸内環境が悪い状態」なんですね。

アレルギー食材を避けることは、仮にアレルギー反応が出なくても、アレルギーが出てしまう体の状態の本質的な解決にはなっていないのです。

では、「なぜ食物アレルギーがある子こそ手作りごはんが向いているか」というところですね。それは、私が伝えている手作りごはんは

①シンプルな食材で栄養が摂れ、シンプルだからこそ何が合っていて何が合わないかとても分かりやすい

からなんですね。

先ほどお話ししたように、何を食べたら反応が出て何を食べたら反応が出ないかは、検査結果よりも実際に食材を食べて反応を見ることが一番確実です。(人のアナフィラキシーのような症状が出ることはほぼありません)

一種類の動物性タンパク質とその他2~3種類の食材で、限りなく栄養が不足することなく合う食材合わない食材を見つけることができるのですね。長期に渡りその食材だけだとそれは少しバランスが悪いかもしれませんが、何が合う合わないを見る時に短期的に食材を減らしても、簡単に栄養バランスが崩れたり栄養不足に陥ることはありません。フードの場合原材料が多すぎて、色んな食材にアレルギー反応が出ている場合、それを除去したフードを見つけるのは時間がかかることがあるんですね。

そして、もう一つ、手作りごはんは

②腸内環境を悪くする食事要因を取り除くことができる

という良さもあります。

自分で全ての食材を把握できるため、腸内環境の悪化に関わる添加物や遺伝子組み換え食材を避けたり、過剰な小麦グルテンの長期摂取などを避けることができます。腸内環境を悪化させる要因はけして食事だけではないということはとても重要ですが、悪化させる要因の一つを取り除くことができると言う感じです。腸内環境の悪化が食材へのアレルギー反応に関わることがあるため、腸内環境を良い状態に保つことは食物アレルギーの子にはとても大事な部分なのです。

また手作りごはんは、

③その子の消化能力に合わせて作ることができるため、胃腸への負担が少なく、丈夫な胃腸作りをすることで食材に反応しにくい体になる

という良さもあります。例えば仔犬仔猫のような消化機能の発達が未熟な時期にフードのように何十種類もの原材料が身体に入ってくると、消化のキャパオーバーで下痢や軟便になることがあります。

このような時期こそ、一食のごはんは食材の種類を少なくすることで消化の負担を軽減することができます。(酵素には気質特異性というものがあり、食材が多ければ多い程沢山の酵素が必要になり消化に負担がかかるのです)

また、高温加工されたフードのお肉のタンパク質は変性が大きく、茹でるなどの最低限の加熱調理をした方がタンパク変性は少なく消化しやすいのです。

消化する胃や膵臓、腸に常に負担がかかっている状態が長く続くと、本来反応しなくて良い食材に反応しやすくなるということがあるのです。

だからこそ、

より個々に合わせた調理や食材選びができる手作りごはんは食物アレルギーがある子にも向いている

というわけなのですね。

ちなみに食物アレルギーがある子にも対応しているのが手作りごはん講座とは別の「皮膚をサポートする食とスキンケア講座」です。

この講座では、食物アレルギーがある場合は除去食というものを行っていきます。少ない食材で栄養バランスを崩さないごはん内容で何が合う合わないかを経過観察していきます。3か月しっかりサポートさせていただきます。(講座詳細は講座ページからご覧いただけます。)

食物アレルギーがあって療法食を食べているけれどいまいち状態が良くならない、何がアレルギーなのか分からない、どんなごはんを選べば良いか分からない、というわんこや飼い主様に向けた講座です。

食物アレルギーでカイカイが出ているような場合は何とかしてあげたいですよね。食べ物以外の環境作りやスキンケア、補助食品の効果的な摂り方など幅広い視点でアドバイスさせていただいています。トリマーだからこそお伝えできる内容もあります。アレルギーにお悩みの方はご参考くださいね。

今日は「食物アレルギーがあっても手づくりごはんはできる?」というタイトルでお話ししてきました。

愛犬のアレルギー症状に悩んでいる飼い主様もいらっしゃいますので、参考になれば幸いです。

手作り犬ごはん講座、手作り猫ごはん講座開講中です。詳細は講座ページより、開催日程はホーム画面一番下のGoogleカレンダーよりごらんいただけます。録画受講も可能です。

皮膚をサポートする食とスキンケア講座は、飼い主様とご都合の良い日程を決めてマンツーマンで講座を行います。こちらも詳細は講座ページよりご覧いただけます。

今日もお読みくださりありがとうございました。