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腸内環境が乱れると軟便・下痢になりやすい

こんにちは。東京都町田市のトリマー兼犬猫ごはん講師の橋本なみです。

昨日からの雨が午前中に上がり外は何だかむしむししています。しばらく優れないお天気が続きそうですが、犬さんのお散歩もタイミングを見てしっかり行ってあげたいですね。我が家の猫もリードを付けて家の前に出るので、雨で行けないとストレスがたまるようです💦

では今日は、

腸内環境が乱れると軟便・下痢になりやすい

というテーマでお話ししたいと思います。以前にも「パピー・キトン期の下痢・軟便」というテーマで下痢や軟便の原因についてお話ししています。

こちらの記事になります。

パピー・キトン期の下痢・軟便 | holistic waves (holistic-waves.com)

この記事では主に下痢・軟便の原因について

●ストレス性の下痢

●分泌性の下痢

●消化機能未発達による下痢

についてお話ししました。

では今日のテーマにある「腸内細菌の乱れによる下痢」とは、一体どういうことか、お話ししていきたいと思います。

そもそも下痢とは上記に書いた原因以外にも、食物アレルギーアレルギーではないけれど食べた物の何かが消化の負担になっている場合や、臓器その他体の不調によっても下痢にはなります。

背景に病気がないことを前提に、またストレスが原因でもないことを前提に、手作りごはんではできるだけ食材をシンプルにしながらどのような食材、量、構成であれば便の状態が落ち着くのか、見ていきますが、

同時に「腸内環境を整えでいく」ことも有効だと思っています。なぜなら腸内環境が乱れていても、下痢や軟便に繋がってくるからなんですね。これが今日のテーマそのまんまです。

「腸の話と適切な腸のケア」というテーマで3回に渡り、腸のお話しやどんな腸のケアがあるか詳しく書いているのでこちらの記事もよかったらご参考ください。

腸の話と適切な腸のケア | holistic waves (holistic-waves.com)

腸内環境が整っている状態とは、「腸内細菌がバランスよく働いている」状態です。腸内細菌には体に良い影響を与える善玉菌、悪い影響を与える悪玉菌、そのどちらでもない日和見菌があります。

健康な腸内では、善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1というバランスが保たれています。

日和見菌は善玉菌か悪玉菌どちらか優勢な方に味方をする菌であるため、善玉菌が悪玉菌より数が優勢な状態であれば、日和見菌は善玉菌の味方をします。しかし、もし善玉菌と悪玉菌の比率が逆転してしまうと、腸内環境は一気に悪化し、体へ悪影響を及ぼすことになるわけです。

腸内環境が整っている=腸内細菌のバランスが良いと、優位に働く善玉菌が大腸内において犬や猫が消化できない食物繊維を食べて発酵し、「短鎖脂肪酸」というものを作ります。

短鎖脂肪酸の働きは、腸上皮細胞の重要なエネルギー源になります。

腸上皮細胞とは大腸の粘膜細胞のことで、短鎖脂肪酸によって腸粘膜のバリア機能を高め、抗炎症などの効果を発揮します。

結腸(大腸の一部)の粘液分泌も促進することで便がスムーズに腸管を移動できたり、便に含まれる細菌が腸管壁から侵入することを防ぐバリアにもなっています。バリア機能が十分でないと、腸管壁から病原体が体内に侵入しやすくなるのですね。

また、大腸内phを低下させることで、悪玉菌が増殖しにく環境にもします。

そして短鎖脂肪酸のもう一つ大事な役割が

水やミネラルの吸収を促進

することです。この「水の吸収」というところがポイントなんですね。摂取した水分の吸収は大部分が小腸で行われ、小腸で吸収されなかった分が大腸で吸収されます。

水分をしっかり吸収しないとどうなるかというと、吸収されなかった水分が便として出るため、下痢便や軟便という水分を含んだ便になるのです。

まとめると、

腸内細菌のバランスが良く、善玉菌がしっかり働く

     ⇓

善玉菌が食物繊維を食べて短鎖脂肪酸を作る

     ⇓

短鎖脂肪酸が水分の吸収を促進する

     ⇓

水分を適度に吸収した良い便が出る

というわけです。イコール腸内細菌のバランスが悪く、悪玉菌が優勢で善玉菌が短鎖脂肪酸を作れないと、大腸での水分吸収が不十分で下痢、軟便になりやすくなるということです。

ですから、軟便や下痢をしやすい場合はまずは背景に病気がないか、ストレスがかかっていないか、その子に合った食事であるかを考えてあげることはとても大事なのですが、プラスαで腸内環境が良い状態かも考えてあげる必要がときとしてはあるのです。

腸の環境を整えるには、そのまんまですが腸にダメージをあたえることをしない!が一番です。

腸にダメージを与え、腸内細菌のバランスを崩す要因は

●ストレス

●合わない食事

●酸化した油

●抗生物質

●農薬・化学薬品

などです。

腸のために良い製品も沢山ありますが、本来は上記の負担がかかっていないこと、特にストレスの少ない生活やその子に合った食事を摂れているかがとても根本に大事なところだと思います。

本当はとってもシンプルなことだけど一番難しいところかと思います。「腸の話と腸の適切なケア」で、腸のケア製品にどんなものがある書いていますが、腸のケア製品を使って腸のケアをすることははっきり言って簡単です。

外から何かを足すというのは簡単なことなのです。ですが、腸内環境が悪いからと外から何かを補うばかりではなく、根本に大事な部分に向き合うことが一番大切であって難しいところなのですね。

私もストレスは課題です。それは愛猫とコミュニケ―ション不足でストレスをかけていないかもだし、自分がストレスなく過ごせているかもなのです。

しっかり睡眠を取り、しっかりごはんを食べ、無理をしすぎず家事や仕事もこなし、好きなこともし、自分の心が安定していること、家族の仲も良好であること、これってとても大事なんですよね。そして一番難しい!と私は個人的に思っています。

「腸内環境が乱れると、下痢・軟便になりやすい」

善玉菌が作る短鎖脂肪酸が不足して、水分の吸収を行えないから、水分を含んだ下痢便、軟便になりやすいというわけです。

下痢・軟便の沢山ある原因の一つです。腸は体の免疫の大部分を担う大事な器官でもあるため、免疫を高めるという意味でも良好な状態に保ってあげたいですね。

その子に合った良質なごはん、ストレスのない生活、善玉菌のエサになる食物繊維(特に水溶性)の摂取、必要に応じて腸をケアする補助食品も上手に取り入れながら、私たち飼い主もストレスフリーまではいかなくても心身ともに健全な状態で過ごせる努力が大事かと思います。

それでは、今日もお読みくださりありがとうございました☺

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