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腸の話と適切な腸のケア 最終回

こんにちは。東京都町田市のトリマー兼手作り犬猫ごはん講座講師の橋本なみです。

前回の腸のお話から間が空いてしまいましが、今回も引き続き腸のケアについてお話ししていきたいと思います。今回で完結です!

腸の健康において何が大切かと言うと、何よりも「腸にとって悪いことをしない」です。この基本的な部分を前回お話ししました。

今回は、「腸にとって悪いことをしない」以外に、腸のケアにどんなものがあるのか、簡単にお話ししたいと思います。

腸には人では100兆もの腸内細菌がいます。(犬や猫では性格な数は分かっていません)この無数の腸内細菌が

「何を作り出すか」

がとっても重要なのです。腸には善玉菌も日和見菌も悪玉菌もいるお話しをしましたね。善玉菌や悪玉菌そのもの、というよりは、これらが出す物質が腸そして体全体の健康に大きく影響を与えるのです。

①で「短鎖脂肪酸」というものをお話ししましたね。短鎖脂肪酸は善玉菌が食物繊維食べて発酵することで作り出される物質です。この短鎖脂肪酸が丈夫な腸粘膜を作るのでしたね。そう、善玉菌ではなく善玉菌によって作り出された短鎖脂肪酸が腸の健康に一役買っているというわけです。

みなさんは、これまでの人生の中で「腸の健康に良い」と思って何かを摂ったことはありますか?おそらく多くの人が一度は腸の健康にと「ヨーグルト」を食べたことがあるかと思います。

ヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌と言った善玉菌が含まれ、私たちも気軽に購入できる食品です。ヨーグルトはとても分かりやすい例なのですが、プロバイオティクスという言葉を聞いたことはありますか?

乳酸菌やビフィズス菌など、菌そのものが入っているものを「プロバイオティクス」と言います。プロバイオティクスという名前の製品も沢山出ていますね。これは、乳酸菌やビフィズス菌を腸に届け、腸の健康をはかるという位置付けになります。

しかし、生きたまま届かなければ意味がありません。胃酸は字の如く「酸性」であり、体に入ってきた細菌を殺す「殺菌」という大事な働きがあります。犬や猫は人よりも胃酸の酸性度が高く、ph1~2と強酸性です。(穀物の多いフードを食べているような子はもう少し高くなります。)

「生きて腸まで届く」というフレーズを聞いたことがあると思いますが、それはつまり胃酸でも死なずに腸に届くということです。ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌、また納豆に含まれる納豆菌が犬や猫の胃酸でどこまで生きて腸に届くかを考えた時に、有用性を少し考える必要があるかなと私は考えています。

また、犬も猫も人もそれぞれ腸内で優勢な菌が違います。犬は乳酸桿菌、猫は乳酸球菌が優勢です。プロバイオティクスなどの製品を摂る場合は、より犬や猫に合ったプロバイオティクスを選ぶことも大事になります。

では、生きて腸に届いた菌は有用な作用があるのでしょうか?

前提として、食品として取り入れた菌は腸には定着しづらいことは知っておく必要があるかと思います。いくら多くの乳酸菌を取り入れても、それらは「外来菌」であり、元々自分の腸に住み着いている菌とは違います。外来菌は腸には定着せず排出されやすくなります。しかし、定着しづらくてもある一定は腸内細菌の種類と数を増やしたり、腸を通過する段階で腸の蠕動運動を活性化すことができます。

プロバイオティクスを効果的に使うためには、プロバイオティクス単品ではなく、プレバイオティクスも同時に摂ることが相乗効果をもたらします。プレバイオティクスというのが、腸内細菌(善玉菌)のエサになり、短鎖脂肪酸を作り出す元になるものです。これがオリゴ糖(野菜・果物・穀類などの食物繊維)です。オリゴ糖が腸内細菌のエサとなって発酵することで短鎖脂肪酸が作り出されるのです。

冒頭で、腸内細菌が何を作り出すかが大事と言いましたが、腸内細菌が作り出す有用物質である短鎖脂肪酸を作り出せることが腸の健康において重要なのです。短鎖脂肪酸は腸粘膜を丈夫にするだけでなく、体の炎症を制御する細胞を活性化します。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせたものを「シンバイオティクス」と言い、より効果的に腸に働きかけることができます。

犬猫のアトピーには、パラカゼイ菌が有効であることが分かっていますが、どんな状態にどの菌が良いかということはまだ詳しく分かっておらず、とりあえずシンバイオティクスが良いとも言われています。

そしてもう一つ、「バイオジェニックス」と言われる腸のケア製品があります。バイオジェニックスには、死んだ菌、いわゆる「死菌」が入っています。なぜ「死菌」かと言うと、死菌は乳酸菌などの生きた菌よりもより腸管免疫に働きかけることが分かっているからです。(腸管免疫:腸が細菌・ウイルスなど病原体から身を守る腸の免疫機能

このバイオジェニックスに含まれる、乳酸菌が作り出した「代謝産物」が腸粘膜を丈夫にし、病原体などの侵入を防ぎます。そして乳酸菌が作り出すもう一つの「菌体物質」が傷ついた細胞を修復し、免疫細胞が集まるパイエル板に取り込まれて免疫細胞を活性化するのです。

冒頭で書いた菌が作り出す物質が大事ということにもまた繋がります。ちなみに私が家族で今やっている腸のケアがこのバイオジェニックスを使ったケアです。ここにプレバイオティクスを取り入れると更に良いと思います。

腸をケアする際に外から作用させるものとしては、

プロバイオティクス(菌そのもの)

プレバイオティクス(菌のエサ)

バイオジェニックス(死菌)

があります。

我が家の犬や猫に腸活がしたい!という場合、まずは基本の食の見直しをお勧めします。私が講座の中でお話ししていく食材からもプレバイオティクスの効果が期待できます。

どんな時に何を選べば良いかって難しいですが、来月から始まる「皮膚をサポートする食とスキンケア講座」では、腸のケアをしっかり行っていく必要がある場合もあります。食事だけでの対応が難しいと判断した場合には、これらの製品を補助として取り入れていきます。

腸をケアすることで「腸皮膚相関」と言われる腸と皮膚の繋がりにガツンとアプローチしていきます。

今回お話しした、腸のケアについて、具体的な製品名などは講座の概要の一部になりますので控えさせていただいていますが、腸をケアする製品は上手に選び上手に組み合わせることが大事ということが伝われば幸いです。

手作り犬猫ごはん講座の日程はGoogleカレンダーより、

皮膚をサポートする食とスキンケア講座は個別で日程調整とさせていただきます。

今日もお読みくださりありがとうございました。