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腸の話と適切な腸のケア②

こんにちは。東京都町田市のトリマー兼、手作り犬猫ごはん講師の橋本なみです。今年最後のブログとなりそうですね。

今日も前回に引き続き腸の話をしていきたいと思います。前回は、腸の免疫の仕組みや善玉菌・悪玉菌がどのような作用をするかなどをお話ししました。

では、飼い主として、愛犬愛猫の全身の健康を担う腸を善玉菌優位な状態にしてあげるには、何が必要なのでしょうか?

最も基本的で大切なことは、乳酸菌を摂るなどといったことよりも何よりも、

腸に負担になることをしない

です。

まず、基本的なことですが、

●腸を乱す要因となる食生活を送らない事

これが大切になると思います。

例えば、過剰な小麦の継続摂取をしないこと。

小麦の何が良くないの?

小麦に含まれるタンパク質である小麦グルテンは、分解されるとグリアジンという物質が生まれます。グリアジンによって腸の上皮細胞からゾヌリンというタンパク質が過剰に分泌されます。このゾヌリンが、腸壁の細胞同士の結合を緩めてしまうのです。

それにより、未消化の食べものや細菌などが腸壁にできた隙間から体内に入り、免疫系が異物と認識して体のあちこちで炎症が起こります。

リーキーガットとも言われ、腸壁に穴が空いて本来吸収されるべきでないものが体の中に吸収されてしまう状態ですね。

小麦をメインに使ったごはんや、おやつやガムばかり与えすぎていると、腸内環境を悪化させる恐れがあります。

小麦が全てダメかと言うとそういう訳でもありません。

私たち日本人も昔はお米は貴重な食材であり、小麦を栽培して食べていたのですから。小麦製品も上手に選び、適度に取り入れ、食への「喜び」を満たしてあげても良いかと思います。

小麦以外には、添加物(保存料など)も腸内細菌には悪い影響を与えかねません。保存料は腐敗を防止するために使われますね。菌の繁殖を防止する添加物を少し食べたくらいで、犬や猫、人という少し大きな体への影響力はそれほどないかもしれません。

ですが、菌の一種である腸内細菌にとってはどうでしょうか?腐敗の原因の菌を殺すということは、腸の良い菌も殺すおそれがあるということなのです。

添加物だけでなく、「酸化した油」も腸は酸化ストレスを受けます。

人では脂肪の摂りすぎが腸内細菌バランスを悪化させると言われています。犬や猫ではどうでしょうか・・・・それは講座の中でお話ししています。が、質の良い油は腸だけでなく体全体の健康には大切にはなります。

添加物、酸化、この辺りは基本的なことかと思いますが、特に酸化に関しては、生涯フードを利用するのであれば、二週間以内に食べきれる量や保存の工夫くらいはしてあげたいものですね。

また、何らかの不調の原因が、食べているものの何かが合っていなかったということもあります。合わないことにより軟便や粘膜便が出ているような状態も、腸にとってはダメージとなります。

●ストレスをかけないこと

ストレスによる腸内細菌叢の乱れはずっと以前から明らかになっています。絶食を強いられたラットや、過密環境下で飼育されたラットの腸内細菌バランスが崩れるなどの研究が随分昔に出ています。

腸内細菌は日々変わっています。

例えば、愛犬愛猫が好んでいない状態(狭いゲージで過ごす、お留守番の間や夜間に好きではないハウスに入らなければいけない)などのありがちなシチュエーションでも腸内細菌叢のバランスの乱れが起こる可能性があるということですね。

ハウスに入ることも、本人が落ち着ける空間があれば問題はないのです。ということは、私たちが提供する環境が愛犬・愛猫にとって心地よいかそうでないか、私たちがどのようにその空間で心地よく過ごせる工夫を行ってきたかどうかも大事になってきます。

ストレスは過ごす空間だけでなく、どんなシチュエーションでも発生しうると思います。

ストレスがかかった状態では交感神経が優位になっています。交感神経を働かせストレスに対抗することは、体が恒常性を保つためのシステムなのですが、交感神経優位のストレス状態は自律神経の乱れへと繋がり、自立神経の乱れは腸内細菌叢の乱れにも関わってきます。

交感神経は活動時に優位になり、副交感神経はリラックス時に優位になります。ストレスにより交感神経が優位な状態が続くと腸の蠕動運動が低下します。腸の蠕動運動は、食べた物を消化液と混ぜ合わせ消化しながら腸の内容物を移動させる役割があります。

蠕動運動が低下すると「消化の低下」や「便秘」に繋がります。消化されなかった食べかすや腸に滞留した便は悪玉菌によって腐敗が起こります。前回も書きましたが、腐敗によってできた老廃物からは細菌や毒素、発癌性物質などの有害物質が発生します。

腸の蠕動運動はストレスによって低下することで。有害菌を増殖し、有益菌(善玉菌)を減少させるのです。

ストレスは万病の元と言われますが、それは人も犬や猫も同じなのです。私たちが普段どのようにコミュニケーションをとっているか、どんな環境を用意してあげられているか、なども大事な部分なのですよね。

私自身はそこが一番難しいと感じています。

その他、腸内細菌に影響を与える要因は

●加齢

●感染

●抗生物質の使用

などでも腸内細菌の乱れは起きてしまいます。加齢と言う自然の摂理、感染や抗生物質の使用による善玉菌の減少は、それらに対応する腸のケアを取り入れることも、昨今のライフスタイルには効果的なことも多いかと思います。

では、実際に効果的にケアをするってどんな方法があるのでしょう。今は色んなケアの方法がありますね。

また次回、簡単にケアの種類などをお話ししたいと思います。

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本日もお読みくださりありがとうございました☺