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犬猫の混合ワクチン 正しく理解して適切に接種する②

こんにちは。東京都町田市のトリマー兼犬猫ごはん講座講師の橋本なみです。お盆休みをいただき昨日からトリミングのお仕事が始まりました。犬猫の手作りごはん講座の準備や、これから開催したいと思っているドッグフードセミナーの準備、そのための勉強も再開です!

さて、今日は「犬猫の混合ワクチン 正しく理解して適切に接種する」の続きになります。前回はワクチンの定義から始まり、混合ワクチンがどういうものなのか基本的な部分をお話ししました。今回からは、

飼い主様が愛犬愛猫に適切に混合ワクチンを接種させられるきっかけを提供したいと心から願うその理由、私が真に伝えていきたいこと

をお話ししていきます。それを理解するには①の記事がベースとなりますので、まだお読みでない方は①からぜひ読んでみてくださいね。さて、本題に入ります。

日本で毎年接種が行われている混合ワクチンについて改めてより多くの犬猫にとて適切な接種となるよう、2007年WSAVA(世界小動物獣医師会)が犬猫の混合ワクチン接種のために定めたガイドラインをご紹介したいと思います。このガイドラインでは混合ワクチンに関してこのように記されています。

『コアワクチンは、子犬及び子猫の初年度接種が完了し、6か月又は12か月齢で追加接種を終えたら、3年よりも短い期間で接種すべきではない。なぜなら免疫持続期間は何年にもわたり、最長では終生持続することがある。』と。

コアワクチンについては前回のブログで書いていますので復習してみてくださいね。このガイドラインの明記を少し解説すると、日本の混合ワクチンプログラムは子犬又は子猫の時期に2∼3回接種し、その最後の接種から一年後に追加接種を行ってからは、一年ごとに接種をすることが一般的となっています。しかし、ガイドラインでは3年よりも短い期間で接種すべきではないと明記されています。接種しなくても良い、ではなく『接種すべきではない』なのです。続いて・・・

『免疫持続期間を3年とした承認は最小の値であり、ほとんどのコアワクチンでは真の免疫持続期間は接種された大多数の動物で終生までとは言えないにせよ、はるかに長い可能性が高い』

とも明記されています。つまり、コアワクチンは、子猫及び子犬期の接種の一年後に追加接種を行えば、その後は大多数の動物(犬猫)ではるかに長い期間免疫が持続するということです。

ではなぜそのようにガイドラインで長い期間免疫が持続されると発表されているのでしょうか?ガイドラインの制定に至るまでや静定後の研究などをご紹介します。

●1997年・・・コアワクチンの免疫持続期間が三年以上と発表される

●2007年・・・ワクチネーションのガイドラインができる

●2008年・・・ワクチンの添付文書から「年一回の追加接種」と言う記載がなくなる

●2012年・・・235頭の犬がコアワクチンの生ワクチンを接種。コアワクチンに対する抗体は90%以上の犬が3年以上持続

●2017年・・・コアワクチン接種から1か月~124か月(約10年)経過した英国の犬486頭に検査キットで検査したところ、最終接種から124か月(約10年)後にも93.6%の犬が全て陽性(免疫持続)であった。

これらを見ても分かるように毎年接種する必要があるとは添付文書にさえ明記されておらず、研究の結果からも9割以上が最低でも3年は免疫が持続し、10年という研究からもガイドライン通り「免疫持続期間ははるかに長い可能性が高い」ことが立証されています。特にコアワクチンに含まれる犬(猫)パルボウイルス感染症は子犬(子猫)期の一年後に追加接種をするとはるかに長い期間免疫は持続するワクチンでもあります。

抗体が持続するための混合ワクチン接種の方法

先ほどからちょこちょこお話していますが、日本では一般的に子犬(子猫)期に接種し一年後に追加接種を行ってからは毎年接種が行われます。子犬(子猫)は母犬(母猫)の初乳(生まれて48間以内の母乳)から免疫をもらいます。これを「移行抗体」と言います。移行抗体は1か月半~3カ月頃に徐々に減っていくため感染症にかかるリスクが出てきます。そのため、8週齢~10週齢から2~3回の接種を行い、その接種から一年後に追加接種を行います。この接種により抗体が長い期間持続されるのです。ですから、ガイドラインではその後の接種間隔を3年以上空けるとされています。

抗体を付ける最も最低限の接種方法

なぜ子犬(子猫)期に2~3回接種を行うと思いますか?子犬(子猫)は母犬(母猫)からの移行抗体(免疫)が十分に残っている時期にワクチンを接種しても免疫は付きません。8週齢で初回接種をしてもまだ移行抗体(免疫)が残っていることを考慮し、その後も接種が行われるのです。そして移行抗体(免疫)が完全になくなる16週齢移行に最終接種をすれば、確実に免疫が付くため、子犬(子猫)の接種は2~3回行うのです。

移行抗体(免疫)の持続期間は個体差があるため、早く移行抗体がなくなる可能性を考慮し8~10週齢で初回接種を行い、移行抗体が完全になくなる16週齢移行に最終接種を行うというわけです。人のインフルエンザワクチンやコロナワクチンと異なり、回数を多く打てば抗体が強くなるわけではないのです。あくまでも、その個体がどこで移行抗体がなくなるか分からないため2~3回接種するということです。

もし不必要な混合ワクチンを接種させたくなければ16週齢移行に一度混合ワクチンを接種し、一年後に追加接種を行えばその後は個体の免疫持続に応じて接種すれば良いのです。(その方法は次回書きますね。)ですが、こういった接種はしっかりとしたブリーダーの元清潔な環境下で育っていることが大前提ですし、個人で交配を行わない限りは難しいワクチンプログラムではあります。

ワクチンを毎年接種するにこしたことはない?

私がなぜ飼い主様に混合ワクチンを正しく理解して適切に接種させていただきたいとこのように発信しているかというと、狂犬病ワクチンの回でもお話しした通り、ワクチンには必ず副作用が存在し、毎年何種類も入った混合ワクチンを接種することは少なからず犬猫の体に負担になるからです。

体に無害であれば毎年接種しておくにこしたことはないかもしれませんし、それが安全だと思うでしょう。しかし、ワクチンは劇薬に指定されており、保存料(有機水銀)、不活化剤(ホルマリン)、アジュバンド(アルミニウム‥有害金属)などが含まれています。

分かっている副反応は、アナフィラキシーショック、自己免疫再生不良性貧血、自己免疫性血小板減少症、繊維肉腫などがあります。

また、疑われる副反応には皮膚炎、アレルギー、関節炎、腫瘍、癌、腎臓疾患、甲状腺異常、繁殖障害、てんかん、問題行動などがあります。これらの疾患はトリミングで犬と接しているとよく目にしたり飼い主様から聞く疾患です。

ガイドラインでも『過剰摂取は有害反応を引き起こす可能性があるため、ワクチンは不必要に接種すべきではない』と明記されています。冒頭の方でご紹介した『3年より短い間隔で接種すべきではない』というガイドラインの表記はこれら副反応の可能性を危惧してのことかと思います。

毎年の接種が必要なものか、そして疑われる副反応についても飼い主様がどう捉えるかで考え方は180度異なると思います。

私は現在は勤め人であり、毎年のワクチン証明書を提示していただいている立場にあります。ペット施設がお客様(犬猫)の利用にあたり毎年のワクチン証明書の提示を義務付けているところは多いでしょう。私は一飼い主の立場からして不必要に多いワクチン接種は望ましくないと考えていますが、一勤め人として施設側がワクチンを義務付けるのも分かります。万が一施設内で感染症が発生し、仮に命を落とすようなことがあればそれは許される事ではないからです。

しかし、体に良いとっての負担や副作用を危惧すると、抗体があるにも関わらず毎年の接種が行われるのではなく、それぞれの個体の免疫持続に応じて適切に接種されることが最も犬猫にとって優しいことに変わりはないと思います。

さて、今回はガイドラインのことや毎年接種をどう考えるかという私の思いも書かせていただきました。③に続きます。

今日はこれから手作り犬猫ごはんの食材調達に行っていきます!今日もお読みくださりありがとうございました💛