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犬の攻撃行動の理解と対処法 後半

こんにちは。東京都町田市のトリマー兼犬猫ごはん講座講師の橋本なみです。

犬の攻撃行動の意味を前半でお話しました。

では、私たちトリマーはそんな攻撃行動にどのように対処したら良いのでしょうか?

犬は自分の行動でどのようなことが起こるかを学習します。

自分が取った行動がどんな結果になるかで、その行動が増えたり減ったりするそうです。

例えばお手入れの工程の中で歯をむき出してうなったことでその工程が中断されれば、うなれば止めてもらえる、と学習するわけですね。

だからますますうなるようになります。

この時首輪を付けていれば、その首輪を人が持つことでよい意味で犬の攻撃行動を制御することができます。

首輪を保持し、犬がうなれなければ直後に報酬(おやつのことが多いそうです)をあげることで、

報酬を与えて望ましい行動を増やす

ということができるのです。

【犬が学習すること】

●自分の行動の直後にどんな結果が起こるかでその行動は増やしたり減らしたりする

●行動の直後に報酬をもらえることで、その行動を取れば良いことがあると理解する

そして攻撃行動に対して人は、

犬にとって期待した行動を取らない

ということも大切なのですね。攻撃行動があっても首輪を保持したり、トリミングテーブルの上で首につけるリード(アームリードと言います)で行動範囲を制限し作業を続けていくことで、攻撃行動を取っても作業は中断されないということを学習させるわけですね。

(※痛みなどない場合においての攻撃行動の場合ですね)

ついつい、攻撃行動が起こると手を止めてしまうことがありましたが、冷静に対処することも必要なわけですね~。

そしてとても勉強になったのが、

8歳を超えると人の扱い方が分かる

ということ。

8歳はシニア期にさしかかる年齢ですね。

この年齢までに、私たちトリマーはお手入れに協力してくれる犬へ「ありがとう」「えらいね」をその子が喜ぶ報酬(おやつのことが多いそう)で与えることが必要なんです。

犬が協力してくれることはけして「当たり前ではない」ということ。

協力してくれた行動に報酬を与え、その行動を強化することをしないといけないということです。

シニアになるほど、ストレスへの耐性が低下します。

老齢になって出てきた攻撃行動は、痛みや認知機能低下だけでなく、

ストレスを感じる行いに対してケアをせず「我慢」を強いてきた結果出てくることもあるそうです。

福山先生の言葉で印象的だったのが

「3分床におろすのは勇気がいること」

というお言葉。限られた時間の中で、犬という生き物を相手に一連の作業を終えるには、とても効率を要されることも多いのですね。

たった3分床に下して自由にさせてあげる、たった3分は、実はトリマーにとってはものすごく大きい3分なんです。

「勇気がいる」本当にその通りのお言葉だと感じました。

だけど、その3分がストレスを感じる作業の合間の、犬にとっての「ゆとり」「心のケア」にもなるということです。

犬という生き物相手に時間に追われることも多い中、

3分の勇気

これ、とても大切なことだなあと心に響きました。

そうやって築いてきた関係が、老齢期の攻撃行動を起こさせないことに繋がることもあるということ。

物理的に

●関節の可動域が低下して作業が痛い

●筋力が低下して姿勢を維持するのがつらい

など痛みや体力の問題なども大きな課題であり、

私たちトリマーが、

「その痛みに気付いてあげること」

「痛みを和らげるケアのご提案」

「体力に無理のない範囲で仕上げる」

そんなことを意識して向き合ってあげることが必要だと実感しました。

人の趣味趣向としてのトリミングではなく、

「健康を維持するため」

「疾病を予防するため」

「生活の質を向上させるため」

「保健衛生のため」

のトリミング(グルーミング)が動物福祉の上で大切であるという福山先生のお言葉を最後に、

今回のセミナー受講を終えました。

普段、体の内面をケアすることに学びの重点を置いていましたが、

今回「攻撃行動の理解と対処法」という初めての分野を学びましたが、とても有意義な学びの時間となりました。

ざーーーっくり割愛してブログにまとめましたが、沢山の面白い話ためになる話をありがとうございました。

福山先生とツーショット📷

今日もお読みくださりありがとうございました。