BLOG

フードを食べてくれないのはなぜ?

こんにちは☺東京都町田市のトリマー兼犬猫ごはん講座講師の橋本なみです。

私は普段はトリミングサロンに勤務しているので、猫の飼い主様よりは断然犬の飼い主様とお話しすることが多いのですが、お話を聞いていると「フードをなかなか食べてくれなくて・・・。」と愛犬がフードを食べてくれないお悩みを持っている方は、ひっじょーーーーーーーーーーーーーーーに多いんです。

そういう方はどうやってフードを食べさせているかというと、多いのが「肉を混ぜている」というお声です。「肉を混ぜたら何とかフードも食べてくれる。」と言った感じなのです。本当はフードだけで美味しく食べてほしいけれど、食べさせるために仕方なく肉を混ぜるという感じなのです。

その他にも好きなおやつを混ぜたり、缶詰を混ぜたりしている方も多いです。

そうやって食べさせる工夫をして「何とか美味しく食べてもらいたい。」と思うのは、フードを食べない飼い主様共通の願いだと思うのです。

ですが、その前に

なぜフードを食べないのでしょうか?

目の前の愛犬(愛猫)はどうしてフードを食べないのか、そこにしっかりと向き合うことも非常に大切なのです。愛犬(愛猫)がどう思っているのか、何で食べたくないのか、そこに耳を傾け、自分に置き換えて考えてほしいのです。

みなさんは、どんな食べ物が好きですか?思い浮かべてみてください。「寿司」「ラーメン」「焼肉」「唐揚げ」「にくじゃが」「納豆」「魚」「カレー」・・・・ちなみに私はチーズが好きです(笑)

もしみなさんが思い浮かんだ好きな食べ物が食卓にあったとしたら、どんな気分になりますか?食べたい!という思考になりますよね。何なら沢山食べたい!とも思いますよね。私はチーズばかりは沢山食べられませんが(笑)お寿司も焼肉も大好きなので、よし、食べるぞー!と意気込みます。

逆に自分が苦手なものが出てきたらどうでしょうか?私は嫌いな食べ物はほぼないのですが、レバーはあまり好きではないのでもし食卓に出てきたら少し食べて終わるでしょう。

そう、何が言いたいかというと

美味しいものは食べたいし美味しくないものは食べたくない。

ただただそれだけなのです。それは人も犬も猫も同じなのです。人に美味しい美味しくないと感じる心、好きな食べものが出てきたら嬉しいと思う心があるように、犬や猫にも同じように感じる「心」があるのです。犬も猫も「心ある生き物」なのです。

私たちが毎日同じシリアルを出されたらどうでしょうか?これだけ食べれば一日に必要な栄養素が摂れる、と言われてたとえそれが美味しかったとしましょう。ですが毎日毎日食べ続ければ飽きてしまいませんか?美味しくなくなりませんか?

犬や猫も同じことを感じても全く不思議ではないのですよね。「犬にはドッグフード」、「猫にはキャットフード」と決めたのは人間です。犬や猫がドッグフードキャットフードを食べるようになったのは、何万年という犬や猫の歴史の中のほんのここ数十年のことなのです。

元々は人間の良心から開発されたフードですが、それが多くの犬や猫で飽きてしまって食べないということが起きているのです。フードだけでも食べるけど、肉をあげたら凄く喜んで食べる!という飼い主様も多いと思います。

フードを食べないと悩んでいる飼い主様も、食べてくれるけど肉の方が好きと感じている飼い主様も、どちらもきっと

「フードより肉が美味しい」

と気づいているのですよね。愛犬(愛猫)はフードより肉が好き、と食べている様子を見てもう感じているのですよね。

本当は肉の方が好きだけど、犬(猫)にはドッグ(キャット)フードだからと、それが栄養バランスがいいからと、あげ続けてしまうのですよね。

犬も猫も本来は色んな肉を食べられる生き物です。犬は野菜や果物なんかも食べられる生き物なのです。肉や野菜などの食材をできるだけ自然な形で食べることが本来の犬や猫の姿なのです。特にハンターである猫にとっては、人の手が加わった時点で完全なる自然な形ではありませんが、それでもフードのように肉の姿がなくなってしまったものを食べるより、人の手が加わってもできるだけ肉の素材を壊さない調理で食べることが体にとっては自然な形なのです。

そして何よりも

軽く調理しただけのできるだけ自然な肉(魚)は美味しい

これに尽きるのです。

私は常々美味しいごはんは犬生猫生を豊かにすると言っていますが、美味しいごはんを食べた時に私たちの心が満たされるように、犬や猫も美味しいと感じて食べるごはんは心身を満たしてくれるのです。

食べないと悩み、肉をフードに混ぜることをダメな事と思っている飼い主様はとても多いです。ですが、私は食べない子にも、食べる子にもむしろフードだけでなく肉などを加えてほしいと思っています。

「肉入れても大丈夫ですよ。」と伝えると多くの方が驚かれます。いけないことかと思っていたと。ですが、加工されたフードだけを一生食べ続けるよりも、自然な食材に触れ合ってその食材からぜひとも栄養を摂ってほしいと願っています。

肉を加えたら栄養バランスが崩れないかと心配されるかもしれませんが、栄養バランスはほぼ崩れません。むしろマイナスから±ゼロへと戻すことができるのです。その理由は講座の中でお話ししています。

フードを食べないと悩んでいる飼い主様には、まずなぜ食べないのか、その子の気持ちをよーーく考えてみてほしいのです。一度自分に置き換えて想像してみてほしいのです。

そして、その子が心から美味しいと感じるごはんをあげてほしいのです。食べないと悩むより、「美味しいと感じるごはんをあげるためには自分は何をすればよいのか」という思考にシフトしてほしいのです。

ごはんを手作りするというのは数ある選択肢の一つですが、「犬や猫が食べる本来の自然なごはんの形」という点では手作りしてあげることに勝るものはありません。(最も自然な形はねずみを買ってきて猫にハンターさせることかもしれませんが、そうはいかないので 笑)

添加物を使って美味しく感じさせるものはあっても、自然な食材で美味しいと感じられるのも手作りに勝るものはないと思っています。

私が伝える手作りごはんは難しいことは何一つありませんが、毎日手作りするのが無理だという方にもトッピングという形で自然な食材を摂ってほしいと思っています。フードを10g減らしてお肉(魚)を30gトッピングする、ただこれだけでいいのです。ただトッピングの割合が多すぎると足した方が良い食材もあるので(講座の範疇になるのでここではお話ししませんが)、ご自身でトッピングを取り入れる場合はまずはフードを10g減らしてトッピングしてみてくださいね。

「愛犬(愛猫)がフードを食べないのはなぜ?」

その答えはきっと飼い主様も気付いていると思います。どうかその子の犬生猫生が豊かになる「食」についてこれを機会に考えていただけると嬉しいです。

今日も最後までお読みくださりありがとうございました🌺